ヘルシー通信

ダイエットを行っている多くの方が運動をしているのではないでしょうか。体重を気にしますからやはり運動前後で体重計に乗り、どれだけ痩せたかを測りたくなりますよね。

しかし、運動前と運動後の体重を比較しても、それが単純に脂肪の減少量という計算にはなりません。このことに気づかないままダイエットを続けていては失敗してしまう原因となってしまいます。

そこで、運動前と運動後の体重の差は一体何によるものなのか、また、1日の運動でどれくらいの脂肪を消費することができるのかを説明していこうと思います。

 

・運動前後の体重差のほとんどが水分

まずは、結論から述べることにします。運動前と運動後では大きく体重が減りますが、これは脂肪が減ったからではありません。体重の減少量の多くは、汗などの水分の損失によるものなのです。

長時間運動を続けると水分の損失量は2L以上に上ることもあります。なので、水分を摂取しないまま運動をすると、運動後に体重が2kg以上減ったりすることもあるのです。

少し話が変わりますが、ダイエットの目的とは何でしょうか。多くの方が体重を減らすこと、と答えるかもしれませんが、それは正しいようで、少し違います。正しくは脂肪を減らすことなのです。

今お話したように、運動を行った後は汗により水分が減少しているので体重が減ります。この体重の減少分を考慮せずに脂肪が減ったと勘違いしていてはダイエットは成功しません。

そのため運動でどれだけ脂肪が減ったのかということを把握することはダイエットにおいて重要なこととなります。

 

・脂肪を1kg減らすには??

運動後の体重の減少のほとんどは水分によるものだということを述べてきましたが、ここからは一体運動で脂肪はどれだけ減るのか、また脂肪1kgを減らすにはどれだけ運動をしなければならないのかを説明していこうと思います。

まずは簡単にカロリー消費を計算する方法を紹介します。

消費カロリーとは、物理的に言えばその人が行った仕事量ということになります。仕事は力と距離を掛け合わせることで計算することができます。そのため以下のような公式が成立します。

消費カロリー(kcal) = 体重(kg) × 距離(km)

この計算式を用いると、運動によりどれだけのカロリーを消費したのか、またどれだけの脂肪を燃焼したのかを計算することができます。

例えば体重60kgの人が10kmランニングを行ったとします。この運動でこの人は60(kg) × 10(km) = 600(kcal) のエネルギーを消費したという計算になります。

この量を多いと取るか少ないと取るかは人によりますが、10km走った場合消費カロリーはこの程度に収まるのです。

体内に蓄えられている脂肪は1gあたり7.2kcalのエネルギーを持っているので、10kmのランニングを行った場合、エネルギーを全て脂肪から得たと仮定すると600(kcal) ÷ 7.2(kcal/g) = 83(g) の脂肪を燃焼したという計算になります。

ここで見落としがちなのが、エネルギー供給の割合についてです。

運動中の主要なエネルギー源は糖質と脂質です。マラソンのような運動をしている場合は糖質 : 脂質 = 1 : 1 程度の割合でエネルギー供給に貢献しています。

つまり、消費した600kcalの内半分は糖質から供給されたもので、脂質を燃焼して得られたエネルギーはその半分の300kcalしかないという計算になります。

そうすると10kmのランニングを行った場合、300(kcal) ÷ 7.2(kcal/g) = 41(g)の脂肪を燃焼したという結果になります。

10km走ったのにこれだけした脂肪が減っていないとは少し驚きではないでしょうか。この結果からも、運動後の体重減少量が脂肪の減少量によるものではないということが分かるかと思います。

それでは脂肪を1kg減らすには一体どれだけの距離を走らなければならないのでしょうか。こちらも体重60kgの人をモデルとして計算していこうと思います。

人の体内に蓄えられている脂肪は1gあたり7.2kcalですので、脂肪1kgに蓄えられているエネルギーは7200kcalとなります。

マラソンのような強度の運動を行った場合、糖質と脂質の利用割合は1:1となるので、脂肪1kgを減らすには7200(kcal) × 2 = 14400(kcal) 消費する必要があります。

体重60kgの人が14400kcal、つまり脂肪1kgを消費するためには、 14400(kcal) ÷ 60 (kg) = 240(km) もの距離を走らないといけないという計算になります。

これは、毎日8km走るのを1ヶ月間続けてやっと脂肪が1kg減るということになります。

この結果からもやはり1日の運度だけでは十分に脂肪を減らすことができないということが分かるかと思います。

 

・まとめ

今回は1日の運動で果たして本当に体重が減るのかどうかを説明してきました。

確かに1回運動を行えば体重は減ります。しかしその減少分のほとんどが汗による水分の損失によるものです。

1回の運動で脂肪はどれくらい減っているのかというと、10kmのマラソンを行った場合で約40gしか減っていません。皆さまが思っているよりもかなり少ない量なのではないでしょうか。

記事で計算を紹介しましたが、脂肪を1kg減らすにはマラソンを200km以上走る必要があります。今日は運動を頑張ったからたくさん食べても平気、という考えを捨て、毎日コツコツ運動に取り組み脂肪を減らしていきましょう。

中野卓

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