ヘルシー通信

運動をするとお腹が空いてたくさん食べてしまうのでダイエットには逆効果なのではないかという考えがあります。確かに気持ちよく汗をかいた後は何かおいしいものを食べたくなります。

しかし、最近の研究で、運動の強度や実施時間が空腹と関係あるということが報告されてきて、必ずしも運動を行ったからと言って食欲が増す訳ではないということが分かってきました。

そこで今回は運動の種類と空腹感との関係について紹介していこうと思います。

 

・カロリー制限と運動、どちらが食欲を促進させるのか

ダイエットをする方法として、摂取カロリーを抑えるためにカロリー制限を行う方法と、消費カロリーを増やすために運動を行う方法の大きく2つの方法に分けることができます。

それではこの2つの方法の内、どちらがより食欲を抑えることができるでしょうか。この疑問を明らかにするためにある実験が行われました。

被験者を、カロリー制限により摂取エネルギーを抑える群と運動によりエネルギーを消費する群に分けました。食事制限により抑えた摂取エネルギーと運動により消費した消費エネルギーは同じになるように設定しています。

その後被験者にバイキング形式で好きなものを食べてもらいました。すると、運動を行った群では食事制限を行った群と比べて約300kcal少ない食事をした、という結果になりました。

この実験から、運動を行った方がカロリー制限を行うよりも食欲を抑制できるということが分かりました。

それでは運動を行うことで、一体体の中で何が起こったのでしょうか。

 

・どうして運動で食欲を抑制したのか??

運動をするということは、言い換えると筋肉を収縮させることとも言えます。私たちの体は骨と骨を筋肉が繋ぎ、筋肉が長さを変えることで関節を動かすことができているのです。

筋肉を収縮させるためには筋肉でエネルギーを作り出す必要があります。そのためには筋肉に酸素を送る必要があります。なので、運動を行う際には筋肉に血液が集中的に送られます。

血液は一定の量しかないので、筋肉に血液が多く送られてしまうと、胃や小腸といった、消化器官には血液が送られなくなります。消化器官に血液が送られなかったら働きが悪くなり、消化がうまく進みません。消化器官はこうした情報を脳に送ることで食物を体内に入れず、食欲を抑制するように働きかけているのです。

この他にも、食欲に関係するホルモンも運動と関連しています。

食欲に関わるホルモンとして、グレリンやペプチドYYというホルモンが挙げられます。

これらのホルモンは相反する働きを持っています。つまりグレリンは食欲を促進するのに対してペプチドYYは食欲を抑制する働きを持っています。

強度の高い運動と中強度の運動とを比較した実験があるのですが、強度の高い運動を行うと中強度の運動と比べてグレリンの活性化が抑制、つまり食欲が抑制されるという結果になりました。

また、運動を行うとペプチドYYの量が増加し、食欲を抑制するということも知られています。

このように、運動を行うことで、内臓の血流を減らしたり食欲に関するホルモンに変化が起こったりすることにより、食欲を抑制しています。

これまで運動で食欲が増すからダイエットには逆効果だと考えていた方も一度運動を取り入れてみてはどうでしょうか。

中野卓

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